「底辺勇者だけど最強パーティのモテ主人公やってます。」の第1巻発売にあたり、アオダ様とのインタビュー対談です。
出版までの道のり、どのようなアルバイト生活を送っていたか、気になる印税、漫画家を目指している人や目指したい人へ、などリアルな対談をさせていただきました。
底辺勇者だけど最強パーティのモテ主人公やってます。発売!


今風なんですけど、連載前からネットで知り合って一緒に漫画を描き始めました。

え!?ネットで知り合ったんですか?




大阪から!?







ゲーム会社を退職した後は、事務員を10年くらいやっていたんですよ。




それが、立て続けに2本決まったんです!

おおっ!2本も!!
連載が決まってから

初めての事で分からない事だらけで大変で、、、
その時アオダもアルバイトをしてたんで、アルバイトしつつ2本の漫画を描くっていう事でもうてんやわんやになってしまって、で私はその時飲食店で働いてたんですけど、私も手伝ったほうがいいかなってくらいの状況になってしまって、バイト中倒れそうになって早退して帰ってきたりしたんです。

1週間で19本とか(驚

それもう週刊連載じゃないすか!?(笑)

結構その、求められる事が新人なんで多くって、、、
4コマの中にこんなに要素を詰め込まなきゃいけないのか!?
見やすくするためには無駄な説明を省いて、インパクトがあって起承転結でまとめて、セリフがなくても絵だけでも面白くみえる描き方にしてくださいって言われて・・・。



活動は一応二人ですね。だから財布も一緒です。今のところ。
私は特にアシスタント代みたいなものは貰っていなくて、そのうち余裕が出てきたらちょうだいくらいの勢いでやっているので。
今はなんとか2人で暮らしていける分稼ぐ感じです。


コミックス出るまでがやっぱりちょっと貧乏だったりとかするので、コミックスが出てからじゃないと漫画家はやっていけないっていうのを痛く知りましたね。


制作環境|アナログとデジタルの違い





早いですね!
背景とかもう素材が売ってたりするのでそれをベタって貼るだけで街並みが出来ちゃったり。








なので、私はアナログ全然描けないんですけどまるおさんは描けるみたいな。ちょっと話を聞くと面白いんですよね。トーンにお金がかかるっていうのはちょっとカルチャーショックで(笑)。



高いものだとA4サイズのトーン1枚500円って聞いて消耗品なのに高いなって。使うたびに買うのは、めちゃめちゃお金かかんじゃんって思って。


ジェネレーションギャップというか、その辺って世代で変わるんですか?



失敗してもやり直しが何度でもきくので。
アナログだと1回カラー塗ってインクこぼしちゃったらそれがもう使えなくなってしまうので。デジタルは絶対そんな事ないので。


描き直しがきくっていうのが凄くて!線の描き直しが出来るっていうのは最高だと思います。



3日!?



最近アオダにはそれに専念してもらってて私がトーンとベタとか、メールのやりとりの文章を打ったりしています。

ゼロからイチを作るのはもの凄い大変なんですよね。
会社も一緒なんだろうなとは思うんですけど。



印税出たら払いますんでお願いします(笑)。


原稿料は?






連載分の控えが溜まって、十分これだったらバイトやらなくてもイケると思えるようになって辞めたんですよ。



その生活が毎日!?

まあ死にますね!(笑)。
漫画を描き続けられる原動力

その原動力とかきっかけみたいなものって何ですか?

多分絵を描いていないと死ぬ生き物なんです(笑)。絵を描くのが息を吸う様な感じなんですよ。


息です、息!それを止められたら死ぬ!みたいな感じです(笑)。
描く為に働いているみたいな感じだったんですよ今までは。今はもう描けるしご飯も食べれるし、そういう意味で今幸せなんですけど。原動力というか、もう息!(笑)







渋いですね!
じゃあ日常の中に絵があった感じなんですね。

人付き合いが苦手なわけではないんですが会社の人に「飲みに行こうよ」って言われて「ちょっと家で絵を描くので駄目です」って断って、「そんな理由?」って驚かれたりしたことはあります。つい絵のことを優先してしまうんですね。







今回のコミックス発売なんですね。

はい!もう出てます。発売しています。

2018年9月21日に発売しました!

初コミックスですか?


印税はどれくらい?

電子だと印刷代がかからないんで印税の率がめっちゃ高かったです!

一般的に本だと10%前後と言われていますが、電子書籍の場合はそれより貰えます!

電子書籍だと高いんですね!?




3ヶ月後にお給料発生するよって言われたらその3ヶ月間どうやって暮らすんだ!?
ってなってしまうんで、最初にちょっと貯蓄がないと難しいかもしれないです。


コミックス発売までで大変だったこと


締め切りとネタ出しですね!


そういう時はどうするんですか?





え!?、結構休載ライトなんですか!?


原稿を落とすのって、絶対やっちゃいけない事みたいなイメージがありました!

ただS社の紙媒体はコミックスのみで、普段SNS上で気軽に読めるという形式なので作家が休んで穴があいても本人のコミックスが出るのが遅くなるだけなんですよね。
だからよく「コミックス作業に入るので●●先生は●日までお休みします」というアナウンスが公式からあったりします。
まぁ、だからと言って故意に〆切やぶったりしちゃいけませんが。

むしろ読者が傷つかない様にこのネタはやめてくださいみたいな指摘がありますね。








そうなんです!行ったり来たりでもう大変でした!そのリクエストに応え続けてこそ続けられる職業なんですよ!

相当メンタルが強い人、多分信念を持ってないと漫画家ってやれないんだろうなって思いますね。




なので、結構同じくらいボコボコに叩かれて「この野郎~」って言いながら一緒にネタ出して。









それが通るともっと悲しくて(笑)。





思ってないですね!全くないですね!駄目です、多分。多分やめる時は死ぬ時だと思います!

なんか情熱が凄いんですよ!

熱量が凄いですね!!




常に絵上手くなりたいってずっと言ってるんですよ!上手いんですけど、ずっと練習とかしてますね。参考書とかも凄い買いますし!

本当なんかバ〇マンの主人公みたいですね!(笑)

向上心が凄いです!




凄い!

漫画家として長くやっていくにはそういう考えの人のほうがいいのかもしれませんね。
あとは「自分には漫画しかない」って描き続けられる強い意思がないとやっていけない仕事じゃないかな。
病気にはなりやすいし、読者にも色々言われたりしてメンタルもボロボロだしコミックスが出ないと生活も苦しいし。



漫画家を目指している人や目指したい人へ


そうですね、次があると思うなよ!みたいな。なりたいんだったら他があると思うなよ
チャンスがあったら最後まで食らいついてほしいです。なかったら自分で作りにいく。
“夢“じゃなくて“目標“にしてほしい。

“夢”じゃなくて”目標”ですか?

“夢“じゃなくて“目標“まで落とし込んでほしい!

せっかく出版社からお話がきても、いざやってみたら大変で「もっと簡単にできると思ったのに楽しくない!やめる!」って途中で投げ出してしまうともったいないですから。
編集さんにどれだけダメ出しされてもぶつかっていってそれを乗り越えたらもっと上手くなるし、もし挫折してもどうしたら続けていけるかを考えていかないといけない。

挫折しても止まってる暇は無いからね。




小説家もそうなんですけど、頭の中で思った事を形に出来る。それを見せる、こういう事考えてんだぜみたいな。それを面白いって言ってもらえたらそれが最高!でお金も貰える(笑)。


逆にアドバイスは聞くけど、「面白くない」とか「描くのやめろ」とか攻撃的な意見は参考にしないです。それはアドバイスじゃないから。




でも外野を全部シャットダウンするんじゃなくて、付き合っていく人間の見極めが必要なのかと。
「この人は面白いな」って思ったら積極的に仲良くしていきたい。知り合いの漫画家さんの意見も参考になるし。




ずっと家で漫画ばっかり描いてるから、人付き合いしなくていいかと言うとやっぱりちがいますね。


「絵はうまいけど〆切りを一切守らない」じゃ、使ってもらえない。

そういう人を紹介するわけにもいかないだろうしね…






「編集から指摘・修正NG」って言う新人作家もいると聞いたことがあって自分はどれだけ編集さんに凹まされても言えないなって。


そんな新人いるんですか!?



前にやっていた仕事をやめて漫画だけをかいて、やっとの思いで一本掲載されたとして、そのギャラは半年後になりますなんてことだと、半年の間収入がないわけです。
だからそうなってしまわないように、ギャラが一枚いくらでいつ貰えるか、コミックスはいつ頃かなどの確認は最初に書類やメールで確認したほうがいいし、そのギャラが貰えるまで食いつなげていくだけの貯蓄や別の収入がないと漫画が描けても生活できなくなってしまいますから。

目標にも資金が絶対必要だから、夢や目標だけで食べていけるとは思わないから。




2本ですか!?

だからできるだけ出版社や編集の目にとまって仕事がもらえるようにイベントにあるブースに持ち込みにいくとか、賞に応募するとかSNSで話題性のある絵をたくさん描いて努力するとか、自分から発信し続けるといいんじゃないでしょうか。実際アオダはRT数が伸びた絵を見た編集さんが声をかけてくれてコミックスも出たわけですし。

だから発信し続ける根気や努力と向上心が大事!待ってるだけじゃ駄目ですね。



だからそこに出せるものはどんどん出した方がいいんじゃないかなと。






ただ運をつかむのも行動し続けたからだと思います!
睡眠時間を削って描き続けて発信しまくった結果ですね!







夢をただ夢とするんじゃなくて目標まで落とし込む!
そしてその目標に向かって、漫画家になった後の生活のことを考えつつも毎日全力で絵を書き続けた結果が「底辺勇者だけど最強パーティのモテ主人公やってます。」の発売なんですね!
実際に経験されている方だからこその貴重なお話、ありがとうございました。
漫画はお二人で書かれてるんですか?