専門学校卒業生に聞くその後のリアル!
声優、アーティスト、漫画家、イラストレーターなどのクリエイター職を目指す場合、高等学校を卒業後に専門学校や養成機関に入るという選択肢があります。
今回は卒業生や専門学校関係者に聞いた専門学校についてのあれこれを紹介いたします。
専門学校は便利なものであり、技術の習得だけではなく独自の業界との繋がりもあったり、と、これから学んでいくという人には最適な選択肢の一つではあります。
しかし、「専門学校に行っておけば取りあえずまぁ何とかなるだろう」、という考え方では失敗します。
だからこそ、失敗しないためにも注意すべき3つのポイントをご紹介します。
1、専門はあくまで専門技術を学べる。他業界へのステップには役に立たない
実際の実例として、某イラスト専門学校の卒業生にインタビューした時の話があります。
2年制の学校でイラストに関わる授業を受けていた生徒さんなのですが、イラストレーターとしての就職はうまくいきませんでした。
そしてどこに就職したのかと言うと、卒業ギリギリで受けた町の写真出力屋さんに就職することになったそうです。
町の写真出力屋さんに就職したのも、どうしてもその会社に就職したかったというわけではなく、イラスト系の会社に受けても受けても受からなかったためイラストレーターの道を断念し、似たような仕事の会社も受けたのですが全て受からず、最終的に行きついたのが町の写真出力屋さんだったのです。
専門学校は専門的な知識を学べる非常に良い環境です。
しかし、「専門学校に行っておけば取りあえずまぁ何とかなるだろう」という考え方では就職はうまくいきません。
就職活動をした時に感じると思いますが、面接をして選択するのはあくまで企業側なのです。
また、同じ環境で学ぶ同級生は就職という舞台ではライバルとなります。そしてその同級生以外にも他の専門学校で学んできた生徒たちもライバルとなり、狭き門を通過するためには、他の誰よりも誇れるような技術やスキルをもっていなくては戦うことができません。
そして、いざ土壇場で他の業種への就職活動を行っても、それまで準備していなかった生徒さんは以前から準備していた生徒さんに勝てることはなく、就職がうまくいくことはなかなか難しいです。
2、箱庭化させてはならない

箱庭化とは何か分かりますか?
「専門学校に行っておけば取りあえずまぁ何とかなるだろう」」と考えるのは生徒さんだけではありません。
親御さんの中には話を聞くと、専門学校に行ってくれれば少なくとも二年間はその子供の就職が先送りできるため、専門学校に通わせるというケースもあるようです。
そして、業界的にこの行動を『箱庭化』と表現する事があるそうです。
どうでしょうか?親御さん、専門学校に行っている生徒さん、思い当たるところはありませんか?
そんなことないと言う親御さんは、子供が望む専門学校に行かせたい。自分の子供に向いている専門学校に行くことで何か見つけてくれるかもしれない。といった気持ちがあります。
そういった気持ちや考えが親御さんと子供の間で話されていることも大切です。
専門学校に通うことがゴールではありません。技術を付けることがゴールではありません。
独立であれ就職であれ、仕事をすることがゴールです。
専門学校に入る前、専門学校に通っている過程で卒業後の進路を明確にし、その為の努力を行っていく機会を提供してくれるのが専門学校です。
3、専門学校から養成所、養成所から養成所といったループに注意

専門学校や養成所を出た後にプロダクションへ所属できず、また養成所に通う。
養成所に通っていて、卒業間近になってまだ勉強したいからまた別の養成所に通う。といったループを繰り返す人がいます。
気持ちは分かります。自分の目指していた道ですから、プロダクションに所属できなかったり、その道での就職を勝ち取れなかったからと言って、そう簡単に割り切れるものでもありません。
かと言って、ずっと勉強をしていたとしても勉強はあくまで勉強。仕事につながることはありません。
養成所に通っていればいつか叶うんじゃないか。と考えている人は、いつまでも勉強をし、そのためにいつまでもお金を使い、アルバイトと勉強の繰り返しとなって疲弊し、気付けば30歳。という人もいます。
あなたは勉強がしたいのでしょうか?
専門学校を卒業して養成所に通う。養成所からまた養成所に通うといった行動をしている人は何がしたかったのか是非一度考えてみてほしいです。
最後に
専門学校は最新の設備や技術が習得できる非常に優れた環境です。しかし、その優れた環境を活かすも殺すもあなた次第です。
素晴らしい切れ味を持つハサミがあった時に、うまく使えばきれいに紙を切ることができます。しかし、使い方を間違えれば自分の指をケガしてしまうこともあります。
「専門学校に行っておけば取りあえずまぁ何とかなるだろう」と、自分自身で何も考えずただレッスンを受けているだけでは、結果として自分の望んだ形になりません。
自分はこういう将来を目指したい。そのためにまず何歳から何歳は専門学校に通ってこういう技術を身に付け、次にこういった企業や仕事内容のところにステップアップする。
このように、完璧なものでなくてもいいのでぜひ自分なりの人生マップを作っておくことをオススメします。