現役時代、商社とボクサーの二刀流で活動していたプロボクシング第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン 木村悠さんにインタビュー対談させていただきました!
ボクシングをはじめたきっかけや、どのような経験を経てチャンピオンになれたのか!?
一つの分野を極めた方の体験談はボクサーだけでなく、他のジャンルで夢を追っている人、別の夢に進んだ人にも必見です!
ボクシングを始めたきっかけ


現在は企業さんの講演をしたりとかですね。

企業講演ですか?

はい。あとは小学校で授業をしたりとか講演活動をやっています。
他にはボクシング関係の取材だったりだとか、私自身も記者として記事を書いたりしています。
他にはボクシング関係の取材だったりだとか、私自身も記者として記事を書いたりしています。

ははあ、記者ですか。

あとは企業さんの顧問だったりとか。
たまにテレビでコメンテーターとかメディア出演もしております。
たまにテレビでコメンテーターとかメディア出演もしております。

企業顧問もされてて、お忙しい中ありがとうございます!
『ひるおび!』にも出ていて、この前はフジテレビにも出てましたよね。
『ひるおび!』にも出ていて、この前はフジテレビにも出てましたよね。

そうですね。フジテレビの『ノンストップ!』さんにも出させて頂いて。

そういった企業顧問もしながらテレビにもいっぱい出られてて、なおかつ小学校とかでも授業をされたりしてるんですか?

そうですね。


素晴らしいですね!
次に過去の話についてお伺いしたいのですが、ボクシングを目指そうと思ったきっかけを教えてください。
次に過去の話についてお伺いしたいのですが、ボクシングを目指そうと思ったきっかけを教えてください。

そうですね、私の場合、元々は小学校から中学校3年生まではサッカーをやってまして。

サッカーですか?

中学校の時はサッカー部のキャプテンをやっていました。

キャプテン!?

私の所属していた中学校が結構ワルが集まる中学校でして、その時のサッカー部内に結構、悪い選手が集まったりしていて・・・。

ワルですか・・・。

たばこ吸ったり警察沙汰になったり喧嘩したりとか、結構問題のある部活だったんですよ。
それでなぜか私がキャプテンを押し付けられまして。
それでなぜか私がキャプテンを押し付けられまして。

それは大変ですね!?

一生懸命チームをまとめてたんですがある時、部員とちょっと・・・、まぁ・・・言い合いになってですね・・・。

え!?

「ちゃんと練習しろ!」とか「真面目にやれ!」という様な話をしたら、急に相手が、「てめえムカつく!」とか「生意気だ!」とかそういう感じで殴りかかってきました。

殴られたんですか!?

そうなんです。その時はボクシングやってなかったのでボコボコにされてしまって。。

ヒィ、ボコボコに、、

やっぱり男だったら強くなりたい!

『はじめの一歩』の世界ですね!

そうですね。自分を変えたいって思って、それでボクシングをやろう!と思ったのがきっかけですね。

中学の時にジムかなんかに通われたんですか?

最初はですね、中学校のスポーツジムに通いました。

スポーツジム?

ちょうどボクシングがブームになっていた時でして、スポーツジムに行ったら一般の方、例えばお父さん・お母さん・ベテランの人達だったりとかOLの方と一緒にボクサーのレッスンを受けたのが初めてでした。

なるほど!ボクシングを始めるより前の子供の頃は、どんなお子さんだったんですか?

そうですね。結構落ち着きがないというか・・・。

ふっふっふっ、なるほど。

学校でもクラスで元気な方ですかね。

わんぱくな感じ?

わんぱくな感じでしたね。

なるほど。それでせっかくなんで聞きたかったのが、ウィキペディアを見させてもらってて。

はい。

ここに書いてある内容っていうのは全部目を通された事はあります?

そうですね最近はちょっと見てないですけど、書いてある事は多分間違ってはないと思います。

あ、間違ってないんですね。

はい。
ボクサー時代


次にボクサー時代のことを聞かせてほしいんですけど、ボクサー時代はアルバイトはしていたんですか?

スポーツジムのインストラクターみたいなアルバイトはしてました。

インストラクターですか?

はい。

はぁー、それは具体的に言うと本当にジムでこう、鍛えている人をサポートしたり?

そうですね、指導したりとかサポートしたりとか、トレーナーみたいな仕事ですね。

他にはなんかアルバイトってしました?

他にはですね・・・、確か学食とかでも働いてた記憶があるような・・・。

その学食の時はもう日本チャンピオンですか?

いえいえ。

前ですか?

まだ全然。ボクシングのプロになってから1年、2年とかそういう時ですかね。

なるほど!
プロを目指すためにどういったジムに所属してました?やっぱり大きいところですか?
プロを目指すためにどういったジムに所属してました?やっぱり大きいところですか?

そうですね。僕の場合は大学の時に実績を残していたので、凄く大きいジムに所属していました。

そのジムには今有名な人でいうと誰がいらっしゃったんですか?

同じジムですと、村田諒太とか。

有名ですね!

はい。あと山中慎介だとか。

山中さん!

はい、そういう選手が同じジムで一緒にトレーニングしてましたね!

一緒に汗流してたんですか?

はい。
初黒星の経験


ウィキペディアに“プロ初黒星を経て商社に就職”ってあるんですが、初めて黒星となった時の心境を聞かせてもらえますか?

そうですね、やっぱりあの、学生の時の試合とは全く違いましたね。

全く違うんですか?

リングに立った時に相手が自分に対して殺気を持っていたので、恐怖を感じました。

恐怖ですか。プロ同士の試合ですもんね。

それでもう相手のペースになってしまって。

なるほど。

で、負けてしまったんですけど、やっぱり自分の実力だとプロはちょっと厳しいかなって思ったのが正直なところでしたね。

初黒星になった時にもう「プロって厳しいのかな」まで思われたんですか?

そうです。

そこからどうやってもう1回頑張ってみようかなと思ったんですか?

そうですね、私自身も正直なところ、ちょっとやめようって思ってた時もあって・・・。

やめようと思ったんですか?

はい。それで1ヶ月位インドに自分を探しに行った時期がありましたね。

1ヶ月インドに行ってたんですか!?
それは商社に入る前ですか?
それは商社に入る前ですか?

商社入る前です。

そうだったんだ。
インドに行ってどういう生活をされたんですか?
インドに行ってどういう生活をされたんですか?

ひたすら移動してましたね。

移動ですか?インドに触れて、そこで気付くというか、やっぱりボクシングをやろう!って思ったきっかけはあったんですか?

いや、あんまなかったですね(笑

あ、なかったんですか。(笑

はい。けどやっぱりインドっていう国自体が凄くエネルギーがある国で、貧しいんですけどみんな凄く元気で楽しそうだな、っていう印象はありましたね!

なるほどですね!

はい。
ボクシングを続けるきっかけとなったお姉さんの一言


“黒星を得て商社に就職”ってあるんですが、商社に就職した時の経緯とか心境を聞かせてもらえますか?

そうですね、インドから帰ってきてこれからどうしようかなって時に、色んな人に話を聞いたんですよ。
うちの姉にも「ボクシングをやめようかと思ってるけどどう思う?」みたいな相談をして。

ほうほう。

姉はボクシングのサポートの一環として周りの人を応援に連れてきてくれたりとか、ホームページを作って応援してくれたり、すごく応援してくれていて。

素晴らしいお姉さんですね。

相談した時に姉から、「もう1回だけリングに立って元気な姿をみんなに見てもらったらいいんじゃない?」っていう様な言葉をかけてもらいました。

じゃあ、お姉さんがきっかけだったんですね。

そうですね。

良い話ですね。

それを聞いた時にですね、それまではずーっとボクシングっていうのが自分が好きで楽しくてやっぱりチャンピオンになりたくてやってきたんですけど、一人一人の力だけじゃなくて、やっぱり色んな人の応援だったりサポートのお陰で自分がリングに立ってるっていう事を気付かされました。
じゃあ今度は自分の為だけじゃなくて、そういう応援してくれてる人の為に!と。
じゃあ今度は自分の為だけじゃなくて、そういう応援してくれてる人の為に!と。

普段からよく言われてますもんね。

はい!リングに立とうと1回再起を決めました!

なるほど!じゃあ心境としてはボクシングを目指しつつ商社も頑張ろうみたいな心境ですかね?

はい。ジムにも頭を下げてですね、もう1回再起が決まったんですけど、これからどういう風にしていこうか考えた時に、自分の中で何かを変えていかないとこの世界ではやっていけないなと思ったんです。

興味深いですね。

その時たまたま大学の友人達に会う機会があって、色々な話を聞いていくうちに社会に出て凄く成長したとか、社会に出て変わったなっていう印象を凄く受けまして。

なるほどですね。

そこで自分も社会人になればもっと成長出来るし変われるんじゃないかな、と思って仕事とボクシングの両立を目指しました。

変わるためにボクシングとの両立を選んだんですね。なるほど。
結局商社には何年位勤めたんですか?
結局商社には何年位勤めたんですか?

24位から32、3位の8年位ですかね。

長いですね!
普段の仕事からボクシング生活に活きたこと


今度はちょっと商社とは違くて。
就活中、木村さんは派遣のお仕事をされてたっていう風に聞いたんですが、それはどういった内容の仕事をされてたんですか?
就活中、木村さんは派遣のお仕事をされてたっていう風に聞いたんですが、それはどういった内容の仕事をされてたんですか?

ちょうどその時はですね、株券が電子化されるっていう話があって。

ありましたね。

その株券の電子化するため、送られてきた株券をスキャンして電子化するっていう流れ作業みたいな仕事でした。

へー、そういった派遣の仕事でされてたんですか?

そうですね、はい。

商社で働いている時はどういった内容の仕事をしてたんですか?

基本的には営業ですね。

営業は法人営業かなんかですか?

そうですね、はい。

新規とルートだとどちらでした?

ルートですかね。

ルートで回られてたんですね。
商社で働いた経験ていうのは、その後のボクサー生活でどういう風に生きてますか?
商社で働いた経験ていうのは、その後のボクサー生活でどういう風に生きてますか?

色んな面で生きてたっていうのは凄くありますね!
例えばスケジュール管理だったりとか、どういう風にその1日を過ごしていくかとかは以前よりも意識するようになりましたね!

時間管理ですか!なるほど!
ボクサー時代は1人暮らしをされてたんですか、実家暮らしをされてたんですか。
ボクサー時代は1人暮らしをされてたんですか、実家暮らしをされてたんですか。

途中まで実家暮らしで途中から一人暮らしに変えましたね。

なんかきっかけはあったんですか?

そうですね、やっぱり親元でやるっていうのは家に帰るとご飯があったり家賃もかからなかったり良いんですけど、ボクシングっていうのは結局殴り合うので、やっぱり闘争心が必要なものでしたね。

そうですね。

やっぱり実家にいてぬくぬくそういう風にやっていると自分がですね、甘いっていう風に思って、ちゃんと自分で自立して生活しながら孝行してやっていこうと思ったのがきっかけですね。

なるほど!
今度は具体的にボクサー時代のお話を色々聞かせて頂きたいんですが、ボクサーをしていて良かった事をお願いします。
今度は具体的にボクサー時代のお話を色々聞かせて頂きたいんですが、ボクサーをしていて良かった事をお願いします。

そうですね、もう本当にボクシングから学んだ事が多いですし、やっぱり色んな人との出会いもそうですし。

出会いって貴重ですよね。

体験も経験も含めて、やっぱりボクシングをやってたからこそ味わえた喜びも含めて凄く私にとっては影響が強いですね!

ボクサー生活を経て、ボクサー以外の違う場所や仕事で活かせそうだなと思う木村さんの強みってどんな事があります?

やっぱりですね、ボクシングをやっていると相手と駆け引きをすると思うんですが、駆け引きをするっていうのはやっぱり言葉だけじゃないんですよね。
相手と向かい合ってその空気感だったりとか相手の出方もそうですけど、色んな事を観察して戦っていくので、そういう事は昼の営業だったりとか社内のビジネスでもありますね。

ビジネスに活きますね!

ですね、ビジネスとコミュニケーションにも凄く役立ちました!

そんなボクサー生活の中で1番嬉しかった事はなんですか?

そうですね。やっぱり自分の夢が叶ったって事ですかね。

夢というのは世界チャンプですか?

そうですね。日本チャンピオンもそうですし世界チャンピオンもそうですし、やっぱり日本一になりたいっていうアマチュア時代の思いもそうですし、そういうものが叶えられたって事は凄く大きな経験になってますね。

なるほどですね!
一度ボクシングから離れてインドに行って、お姉さんからの言葉を経ての夢ですもんね!
一度ボクシングから離れてインドに行って、お姉さんからの言葉を経ての夢ですもんね!
ボクサー生活の中での経験

世界チャンピオンになられて、環境が変わったとかありますか?
例えば「ジャブを打って!」と言われたり、「握手してください!」とか。
例えば「ジャブを打って!」と言われたり、「握手してください!」とか。

ありますね。
「ボディー打ってほしい!」っていう人がたまにいますね。(笑
「ボディー打ってほしい!」っていう人がたまにいますね。(笑

猪木ビンタみたいですね!
ボクサーのパンチを知っているのでそんなお願い僕だったらできない・・・(笑
ボクサーのパンチを知っているのでそんなお願い僕だったらできない・・・(笑

ボクサー生活やってて1番大変だった事・困った事はどんな事がありますか?

そうですね、やっぱり毎日続けていかなきゃいけない!っていうのですかね。
僕はトレーニング好きな方でしたけどやっぱり休まないで毎日やらなきゃいけないっていうのは大変な時はありましたね。

あのハードなトレーニングを毎日ですもんね。。
似た話でボクサー生活の中でこれはもう1番の失敗だったな!と思う事はどんな事が思い浮かびますか?
似た話でボクサー生活の中でこれはもう1番の失敗だったな!と思う事はどんな事が思い浮かびますか?

そうですね、やっぱり調整方法っていうのが凄く難しくて。

調整方法?

はい。例えば減量とかコンディション作りもそうですけど、最初は色んな方法を試すんですよね。

色んな方法ですか?

例えば、何かしか食べないで試合に出たりするとか、極端なトレーニング方法で水を大量に飲むとか。

水を大量に!?

色んなやり方をするんですよ。
1回、僕は菜食主義みたいな野菜ばかりの生活をしていたことがあって、それをやっちゃうとですね、闘争心みたいなものがなくなってしまって・・・、戦う意欲がなくなったっていうのはありましたね。
1回、僕は菜食主義みたいな野菜ばかりの生活をしていたことがあって、それをやっちゃうとですね、闘争心みたいなものがなくなってしまって・・・、戦う意欲がなくなったっていうのはありましたね。

ベジタリアンみたいな事を試したら闘争心がなくなっちゃうなんて!
やっぱり人によって合うやり方が色々とあるんですね!
やっぱり人によって合うやり方が色々とあるんですね!

戦わなくてもいい境地にいってしまいましたね。(笑

ボクサーなのに闘争心がなくなってしまうとは(笑
ボクシングの引退を考える瞬間


世界チャンピオンになる前に黒星を経験してボクサーをやめようと思ったっておっしゃってましたが、その時以外でやめようと思った事ってありますか?

その後にまた黒星があって、その時もそこでもやめようと思いましたね。
やっぱり負けるとボクシングっていうのは、やるかやめるかみたいな選択に晒されますね。逆に勝ち続けてる間っていうのはそういう事考えないですね。
やっぱり負けるとボクシングっていうのは、やるかやめるかみたいな選択に晒されますね。逆に勝ち続けてる間っていうのはそういう事考えないですね。

なるほどですね。ちょっとディープな質問なんですが、引退を決意した瞬間とは何ですか?

そうですね。僕自身が世界チャンピオンになる、まあ日本チャンピオンになった位から、その一戦一戦戦っていく中で次に負けたら身を引こう!っていう風に思ってたので。

一戦一戦の中で常に思ってたんですね!?

はい。やっぱりそれ位の覚悟がなきゃ戦え抜けない位の厳しい世界なので!
だからそういう思いで日本チャンピオンになって、で防衛して、でその後世界チャンピオンになれた!っていう様な経緯がありましたね。
だからそういう思いで日本チャンピオンになって、で防衛して、でその後世界チャンピオンになれた!っていう様な経緯がありましたね。

最初引退されて、引退された直後はどういった生活をしてたんですか?

引退した直後はですね、自分の元々二刀流だった生活から、ボクシングっていうものがなくなって、普通のサラリーマンのそういう生活に戻りましたね。

なるほどですね。逆に今後の目標ややりたい事は何かありますか?

そうですね、私自身が凄くボクシングで育ってきたのでやっぱりボクシングをもっと広めていきたい!っていう気持ちもありますし、ボクシングで培った事を活かしてもっと社会でも活躍出来る!っていうところを皆さんにも見せていきたいなっていうのはありますね。

最後に2つご質問したいんですが、今現在夢を追ってる人に対して一言お願いします。

諦めなければ夢は叶う、っていうわけではないですけど、夢っていうのは諦めた時点で終わりなので、やっぱり諦めないで続けていくっていう事が凄く重要でして。
私の場合は夢が叶ったケースですけど、やっぱり叶う・叶わないじゃなくて、その過程での経験ていうのがその人の財産になると思います!

そうですね。

はい。やっぱり続けてチャレンジしていくっていうことは凄く大事だと思いますね。

逆に世の中には木村さんのような方は本当に少数派でですね、夢が叶わなかった人、あと夢が見つからない人っていうのも結構いると思うんですが、そういう夢が叶わなかった人・夢が見つからなかった人に一言お願いします。

そうですね、必ずしも夢を持つことを強制するほどでもないとは思っています。
自分が好きなこととかやりたいこととか、そういう事をやっていくうちに目標だったりそれがまた夢になったりするので、焦らないでいいと思います。
自分が好きなこととかやりたいこととか、そういう事をやっていくうちに目標だったりそれがまた夢になったりするので、焦らないでいいと思います。
チャレンジしていくことっていうのがやっぱり次に繋がっていくことなんじゃないかなっていうのは思っています。

なるほどですね、今日はお忙しいところ有難うございました!
具体的にどういった活動をされていますか?