漫画家に年齢制限はあるのか?
「漫画家を目指すならやっぱり若い方が良いよね」
「20代で売れなかったらもう遅いよ」
なんて言われることがあります。
しかし、30代になってからデビューした。主婦ですがお腹の中に赤ちゃんがいる状態で応募した。なんて方も世の中にはいます。
30代でデビューした漫画家
鈴ノ木ユウ
2010年『えびチャーハン』でデビュー
代表作『コウノドリ』
鈴ノ木ユウ Official Web Site
板垣恵介
1989年『メイキャッパー』でデビュー。
代表作『グラップラー刃牙』
漫画の中身が面白ければ、作者が高校生だろうが、北海道に住んでいようが、日本人じゃなくても漫画家にはなれます。
同じように、何歳からだって漫画家になれます。
漫画家に年齢制限はないのです。
ただし、漫画家という夢を目指す期限はあると知っておくべきです。
1.年齢制限と期限の違い
年齢制限とは、25歳を過ぎて担当編集がついていない漫画家はダメ。30歳を過ぎたら連載できない。のように、年齢だけで描き手のことを考えず年齢だけで縛る考え方です。
漫画家を目指す期限とは、漫画家になると決めてから今現在までの時間。読み切りが一度掲載されてから連載を勝ち取れていない期間のことです。
面白い漫画を生み出すためには、体力、画力、気力の3つの力が必要となります。
そのため、年齢制限で考えるのではなく、あなたが今どの状況で、どれくらいの期間が経ってしまっているのかを考えるべきです。
漫画家になるために必要な力は「体力、画力、気力」

体力
面白い漫画を描くために体力は必要になります。
体力があれば長い時間漫画を描き続けることができますし、自分の体の健康を気にせず描けます。
自分の体の調子が悪かったり痛みがあったりすると、作品を生み出している時に気になってしまい、100%集中することが出来なくなります。
漫画家もアスリートと同じように、体が資本です。
締め切り間近や賞レースの申し込み直前に風邪をひいてしまっては漫画の質が下がります。
歳を重ねるごとに体力は落ちてきます。
そしてそれ以上に、漫画を描くために5年も10年も座り続けていると体力は確実に下がります。
漫画だけを描き続ける期限をどれくらいにするのか重要になります。
画力
誰もが手に入れたい力が画力だと思います。
漫画の内容に合った画力が必要です。
漫画を描き続ければ画力は次第に上がっていきますが、技術はいずれ頭打ちになります。
初めは学ぶことが多いため技術は格段に上がっていきます。しかし、ある一定の期間を経過すると技術の進歩は遅くなります。
これもサッカーや野球といったアスリートと同じで、ある一定のレベルまで達してしまうと技術の成長がゆるやかになるのが想像できると思います。
最近では原作と分かれているケースも多くありますが、良い原作者と出会えるかは運次第となります。
年齢制限ではなく、期限を設けた方がよいのはこういった側面からもうかがえます。
気力
気力とは、漫画家を目指すという熱意やモチベーションのことです。
漫画を目指すと決めた当初は誰しもがやる気に満ち溢れていると思います。
しかし、漫画を描き続けるうちにそのモチベーションはどんどん削られていきます。
・自分より内容も画力もスゴイ年下の出現。
・描いても描いても賞が獲れない、掲載にならない自分の作品
・編集者や周りから浴びせられる言葉の数々
当初は100あったモチベーションが時間を重ねるごとに確実に減っていきます。
画力があったとしても気力が100の人と気力か50しかない人、どちらの方が面白い漫画を描けると思いますか?
あなたにとっての漫画家になるとは?
週間連載、webアプリでの連載、趣味としてfanboxに掲載など、漫画家になるといっても様々な方法があります。
しかし、漫画家を目指す誰もが考えることは、有名な紙面での連載だと思います。
自分の漫画で読者を感動させたい、笑わせたい、自分が有名になりたい。漫画家を目指したきっかけは何であれ、人に影響を与えることのできる漫画家は素晴らしいことです。
だからこそ年齢制限ではなく、「この1年で連載を勝ち取れなかったら諦める」「28歳まであと2年、読み切りが載らなかったら漫画とは趣味として向き合う」のように期限を決めて全力で取り組むことが結果につながります。
