お笑いのネタはどうやって作られているのか?
テレビの世界で活躍されているお笑い芸人の方々は必ず自分たち独自の『ネタ』を持っています。
今でこそYouTubeにも数多くのお笑い芸人さんのネタがアップされているため、色んなお笑い芸人さんのネタを見ることができますが、いざ自分で作ろうとなると「どうしたものか・・・」と悩んでしまうことがあります。
- 本気でお笑いを目指している!
- 大学のサークルに入っていて学園祭でネタ見せしてみたい!
- 結婚式の余興としてネタを披露したい!
そんな初めてだけどお笑いのネタを作ってみたいと考えた方のため、お笑いのネタ作りの方について順を追って紹介したいと思います。
ネタの作り方は本当に人それぞれですが、基本的な考え方としてぜひ参考にしてください。
2.基本的なネタの作り方:まずは設定を決めよう
2.1.「もしも〇〇だったら」ネタ
2.2.誰もが知っている内容をネタにする
2.3.自分たちの特徴をネタにする
2.4.時事ネタ
3.ネタの設定ができたら構成を考えよう
3.1.まずは全体のストーリー展開を考える
3.2.つかみから導入まで
3.3.中盤
3.4.終盤
4.番外編 その他ネタ作りで考えておくこと
4.1.どの場でネタ見せするのか考えよう
4.2.日常で思いついたボケを記録する
4.3.型を無視しない
まとめ
1.お笑いのネタを考える第一歩!まずは漫才かコントか決めよう
- センターマイク1本でネタをやるのが漫才。
- センターマイクを使用しないのがコント。
です。
お笑い芸人を本気で目指し、THE MANZAI、キングオブコントといった賞レースのネタ番組出場を考えているお笑い芸人は違いが分かっている必要があります。
ネタ番組に出るためにお笑いライブで練習をしようと考えると思います。
ライブに出演する際、音響や照明を担当されている方に「漫才で、板付きでお願いします」「コントの明転飛び出しで」など、ネタの始まりと終わりを説明する必要があるからです。
2人以上の人がマイク1本でお客さんを笑わせる、べしゃりこそお笑いのネタ。そう考えるお笑い芸人さんもいるくらい、トークだけで会場を沸かせる漫才ができるお笑い芸人はすごいことです。
コントは小道具や音、衣装など様々な道具を使うことができます。
雰囲気にこだわることで独特な世界観を創り出し、見る人を感動させながら笑わせたり、考えさせながら笑わせたりすることもでき、まるで1本の映画を観たような感情をお客さんに抱かせることもできます。
漫才とコントどちらをやりたいのか?コンビを組む相方としっかりと話し合い決めることが大切です。漫才とコントか決めておくことでネタ作りも変わってくるからです。
お笑い芸人を目指す方はまずは漫才に取り組んでみる。結婚式の余興や忘年会の出し物であれば小道具や映像を使いながら展開するコントか、お笑い芸人さんのネタをそのままマネするのがおすすめです。
2.基本的なネタの作り方:まずは設定を決めよう
いざお笑いネタを作ろうと思っていても、何もない状態から作りだすことは難しいです。
YouTubeにアップされているお笑い芸人さんのネタを見たり、ネタ番組でネタ見せしているお笑い芸人さんのネタを見てみてください。
YouTubeやネタ番組を意識して見てみると、いくつかのパターンがあることに気付かれると思います。
2.1.「もしも〇〇だったら」ネタ
「今度、ご両親に結婚の挨拶に行かないといけなくてさ、練習したいから父親役やってよ」
「今度バイトの面接があるから店長やってよ」
なんてやり取りをTHE MANZAIやネタ番組で見たことがあると思います。
パッと見、お客さんからしたらコントのようにも映りますが、マイク1本で行うので漫才となります。
父親役や店長役をお願いされる側がボケ、お願いする側がツッコミとして、ネタが展開されていきます。
2.2.誰もが知っている内容をネタにする
ドラえもんやアンパンマンと言った誰もが知っている内容をネタの題材として展開します。
結婚式の余興でネタをやるのであれば、内輪ネタとして〇〇先生のマネや〇〇校長の口癖といったネタを組み込むこともできます。
一つ注意点があり、ポイントとしては”誰もが知っている”ということです。
ドラゴンボールなどは男性であれば誰もが知っているかもしれませんが、女性であれば意外と知らない人が多い、なんてこともあるので注意が必要です。
2.3.自分たちの特徴をネタにする
ハゲている、活舌が悪い、あごがしゃくれている、顔が大きいといった自分たちの特徴をネタにした内容です。
トレンディエンジェルさんやFUJIWARAさんが思い出されるんじゃないでしょうか。
パッと見の見た目以外にも、その人が歩んできた経験(元警察官、元お医者さん)といった内容からネタにするコンビもいます。
2.4.時事ネタ
時事ネタといえば爆笑問題さんではないでしょうか。政治やタレントの話題などにお笑いのエッセンスを追加して笑えるネタに昇華させています。
注意点としては、時事ネタには旬があるということです。話題となってから半年程度、長くても1年以内の時事ネタであるべきです。
時間が経てば経つほどお笑いの鮮度は落ちてしまいます。
3.ネタの設定ができたら構成を考えよう

3.1.まずは全体のストーリー展開を考える
ざっくりで良いので全体のストーリー展開を考えましょう。そして、最終的なオチをどう落とすのか?を考えます。
全体のストーリー展開を考えることで、どこをつかみとしようか、どのあたりから後半にかけてのたたみかけをしようか、といった設計図を作ることができます。
ネタの内容を盛り込み過ぎてしまったとしても後から削ることができるので、まずはざっくりとで良いので全体のストーリー展開を作ることが重要です。
3.2.つかみから導入まで
「はい、ど~も~」から始まり、お客さんに「あ、こういうネタなんだな」と認識してもらうまでの時間です。
「父親役やってよ」とツッコミ役が言えば、「あ、もしもの設定ネタなんだな」
「最近、政権が変わって・・・」と展開されれば「あ、時事ネタなんだな」
とお客さんがこれからの展開に対して心の準備するこができます。
また、独特な設定を作り込み過ぎてしまう場合は注意が必要です。
お客さんがその設定を理解するのに時間がかかってしまい、ネタの展開に追いつくことができず会場が笑いに包まれない、そんなお笑い芸人さんもたくさん見てきました。
つかみから導入までは、お客さんと芸人さん側の緊張を解きほぐすための場でもあり、お笑い芸人さんが今日のお客さんの温度を把握するための温度計でもあります。
3.3.中盤
終盤のオチに向けて話を展開していきます。
中盤では笑いという火を少しずつ大きくしていきます。そのため、始めは小さいボケやツッコミを積み重ねていきます。
始めで大きな笑いが欲しいと思い、大きなボケをいきなり放り込んでしまうとお客さんはついてこれず、思ったほどの笑いは起きません。
焚火をしていて、火がまだ小さいのに大きい焚き木を投げ入れるようなものです。最悪の場合、火を消してしまうかもしれません。
3.4.終盤
理想としては一番盛り上がった状態でネタを終わらせましょう。
漫画も映画も、最後どんな終わり方をするのかで作品としての評価が大きく分かれます。
ウッチャンナンチャンさんは当時、ネタ番組でネタ見せをする時に、まだ後に用意しておいたネタがあったとしても盛り上がったところでネタを終わらせていたそうです。
それほど、お笑いにおいても終わらせ方というのは重要だということです。
もし仮に盛り上がった所で終わらずそのままネタを続けてオチが弱かった場合、「あのネタ、途中までは良かったけどオチが弱かったよね」「最後がイマイチだったよね・・・」なんて言われてしまうかもしれません。
つかみから中盤にかけて温めてきた火を最後に向けて大きくしていきます。
漫才では、最後ボケを連発して畳みかけるようにして会場を盛り上げ、ネタをオチまでもっていく方法もあります。
他にも、つかみで話していた内容を伏線として張っておき、最後のオチのネタとして使うことで笑いを回収して終わらせる方法もあります。
4.番外編 その他ネタ作りで考えておくこと

4.1.どの場でネタ見せするのか考えよう
THE MANZAI、キングオブコントといった賞レースのネタ番組であれば、審査する人はそのネタが賞レースにふさわしいネタなのか、という視点で考えます。
どんなに笑いが取れるネタだったとしても、ひどい下ネタであったり、誰かを辱めるような内容のネタでは選ばれることはありません。
これは結婚式の余興や学園祭の出し物でも同じことが言えます。
あまりに内輪ネタすぎると、お客さんを置いてきぼりにします。
お笑いのネタをどんな場で披露するのか?そのネタを見るのは子供なのか、女性なのか、先輩お笑い芸人なのかを事前に考えたうえでネタ見せすることが笑いにつながります。
4.2.日常で思いついたボケを記録する
「もしも〇〇だったらネタ」も、「誰もが知っているネタ」も、「自分たちの特徴ネタ」も、「時事ネタ」も、全て毎日の生活の中から得られる情報のインプットが大切になります。
- 喫茶店で商談をしているサラリーマンの行動を観察する。
- コンビニでアルバイトしている店員さんの接客を観察する。
- Yahooニュースで取り上げられているネタを観察する。
そして自分の中に取り入れた情報を、ボケとしてアウトプットすることが大切です。
書き出すときは深く考えず、思いついたことをとにかく書き出します。
紙のネタ帳の方が振り返る時にパッと振り返ることができるため、今でも紙のネタ帳を使っている人がいます。いつでもパッと書き出せる紙のネタ帳をオススメしています。
4.3.型を無視しない
“無視しない”というフレーズがポイントです。
型はあくまで基本の型なので破ることもお笑いとして必要なときもあります。しかし型を全く無視してネタを作る人は、”型破り”ではなく”ただの型無し”です。
基本の型を正しく理解したうえで今までとは違った型を生み出す。そうしたギャップがお客さんやお笑い芸人さんから見た時に「新しい・・・」と言われるようなネタにつながります。
ぺこぱさんの”否定しないツッコミ”も、お笑いの基本的な型を守ったうえで”否定しない”というツッコミのエッセンスをネタに加えています。
参考:お笑い芸人さんのネタ作りについて(YouTube)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
有名なお笑い芸人さんの漫才やコントはコンビによって独特な内容になっています。しかし、基本的な流れは同じです。
自分たちの持ち味をどう出すのか、どんなエッセンスを加えるのか、誰のためのネタなのかを考え、お笑いネタを創り出してください。
やりたいネタでお客さんを笑わせ、お笑いを楽しんでほしいと思います。
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