声優で食べている大先輩から学ぶこと
声優に限らず、スポーツ選手、漫画家、お笑い芸人と成功されている大先輩から学べることはたくさんあります。
今回は岩田光男氏が著書の「声優道: 死ぬまで「声」で食う極意」について学んだことをお話させていただきます。
声優の現状について
声優の数は3万人とも言われています。
その中で実際に業界で必要とされている声優の人数はどれくらいかご存知でしょうか?
それは、300名程度といわれています。
約3万人いる声優のうち、300名なので、約1%の人が声優業界として必要な声優の人数となります。
最近、多くの声優の方が書籍を出しています。
内容を見るとどれも声優業界は「厳しい」「狭き門」「食べれるのは一握り」といった内容が書かかれています。
単に諦めろ!といったことではなく、業界のことを正しく知ったうえでそれでも目指すのであれば目指してほしい!
その時に自分の経験を参考が参考になれば参考にしてほしい!
という、大先輩からの本気のメッセージだと思います。
声優を目指すうえで大切な5つのこと
1.本当に好きかどうか
2.「引用」か「模倣」か
3.声優は個人事業主
4.なった姿をイメージできるかどうか
5.不安しかない
1.本当に好きかどうか
声優を目指す理由は何ですか?
と聞いたとき多くの人が「声優が好きだから」と言います。
ただ、その「好き」という感情はどこまでの好きなのでしょうか?
バイトをしながら毎日10時間練習する生活を3年続けられる!
なのか、
学校に通っていれば声優になれるだろう、と考えている。
なのか、
ようするに、本当の本当に好きかが大事です。
「ただ好き」ではなく「本当に好き」であること
例えば、同じ新人でも行動に大きく違いがうまれます。
素直に芝居が好きで、本当に好きなだからこそ、どん欲に色んな人の話や意見を聞きにいく。
先輩の話を素直に聞き、それを理解するために何度も先輩に話を聞きにいったり。
人によっては「こびている」と考える人もいるかもしれません。
しかし、恋愛で考えてみてください。
相手のことが本当に好きだったら相手の趣味、趣向を調べたりするだろうし、相手のためにデートプランを考えたりすると思います。
相手が自分のために行動してくれたり、ほしいプレゼントを贈ってもらった時にどう思いますでしょうか?
「こびている」とは思わないはずです。
声優になるためならば、どこまで自分の考えや生活を変えることができるのか。
この考えが当たり前の世界だと思います。
そして、どこまでも変えたからといって、必ずしもなれるものではないという世界だというのが現実です。
2.「引用」か「模倣」か
スポーツでも何でも最初はコーチや先輩からやり方を教わります。
場合によっては盗む必要もあります。
「本当に好き」であれば、まずは教わったことができるようになるまで、何度も反復練習すると思います。
その際、人によって体の形、体の大きさ、関節の柔らかさは違ってきます。
先輩から教わったことが完璧にできるようになったら、それを自分の血肉にすることが大切です。
考えなくても自然と教わった立ち振る舞いが自然にできる状態、それが血肉になった状態だと思います。
声優の場合、そこに自分の特徴を合わせる必要があります。
習ったことだけをやっているだけでは、すでに同じ土俵の人がいる状態です。
これではいつまでたっても自分が選ばれることはありません。
それが、習ったことをそのままやっている「引用」なのか、習ったことを自分流にした「模倣」なのか。
声優は個人事業主です。
自分を商品とした一人社長のなので、いかに他の人よりも選んでもらうかがカギとなります。
3.声優は個人事業主
個人事業主とは、町の八百屋さんをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
八百屋さんは、自分で野菜を仕入れ、そしてそれを売ることで毎日生活をしています。
なので、当然野菜が売れなければ、収入は「0円」です。
これを声優に置き換えてみると、自分という商品を選んでもらうために、
1.値段と質のバランスから選んでもらい
2.結果を出し
3.継続的に収入を得る
ことが大切になってきます。
会社員の場合は、年末調整というものを会社がやってくれたり、厚生年金に入る手続きも会社がやってくれます。
個人事業主の場合、会社に所属するわけではないので、収入があった場合、確定申告を自分でやったり自分で税理士さんを雇ってお願いしたり、基本的にすべてを自分がやらないといけないです。
保険に関しても、国民保険に入る手続きや支払いも自分でやらないといけません。
町の八百屋さんと同じような生活になる。
声優を目指すうえで、事前に理解しておくことが大切になります。
4.なった姿をイメージできるかどうか
あなたは声優になったイメージが想像できていますか?
著書の中で、役者として生きていくか、勤めていた会社で働きつづけるかを迷った時のエピソードです。
ある大先輩に相談した時に、「5年後の自分をイメージしてごらん。なるべく具体的に、それこそ1カ月の予定をスケジュール帳にびっしり書けるくらいにね。」
「書き終えて具体的にイメージできたなら、『よし!』と手帳を閉じてごらん」
「それはきっと叶うから」
といったシーンがあります。
自分が町の八百屋さんと同じ個人事業主になり、自分を商品として食べることができているか。
その「なっている」状態を本当に想像できるかが声優に限らず仕事でも大切なポイントとなります。
ここで重要なのは「なりたい」ではなく「なっている姿」を想像できるかです。
「なりたい」は、3年後もなりたいと願っている自分になってしまい、結果としてなれない自分になります。
「なっている自分がイメージできるか」
声優に限らず、何かを目指す人は一度やってみてください。
5.声優は不安しかない。
と著書の中で書かれています。
いつ何時、
・自分の声が選ばれなくなったり
・自分の声が合うような作品がなくなったり
・自分の仕事がなくなったり
個人事業主だからこその不安だと思います。
これは個人事業主の方はみんな持っている感情だと思います。
漫画家さんもお笑い芸人さんも役者さんも、テレビや雑誌といった所で、
「数年後に仕事があるか分からない」
「もっと売れたい」
「安泰と思うことはない」
と言っていました。
毎日不安を持って生活をする。
だからこそ常に成長する意識をもって全力で行動をし続けることができる人が向いていると思います。
まとめ
声優は誰かが作ってくれた作品に声をあてる仕事です。
作品の数だけ声が必要となりますが、実際に業界で必要とされているのは約300名と言われています。
同じ数だけ平等にチャンスがありますが、その中でいかに選ばれるかは常に考え続け、行動する必要があります。
その中で自分はどういった声優を目指すのか。
事前に正しく把握したうえで目指していってほしいと思います。
目指すからこそ、是非一度読んでいただきたい一冊です。

