子役時代、大手事務所、フリーの経験から学んだ、自分から動く大切さ
声優・俳優・舞台・ラジオパーソナリティーと幅広く活動中!
発達支援を要するお子さん向けのお話会「フクロウのろうどくかい」や、ラヂオつくば(FM84.2&インターネットサイマル)発で鉄道エンタメ番組「発車お~らい」のパーソナリティを務める。
複数の事務所の所属経験とフリーでの経験から語られる様々な体験談。
【アメブロ】声優・津久井裕子「HIROKOの海」
https://ameblo.jp/hiroko-tsukui/
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津久井 裕子(@hirokotsukui
現在の活動について




アイドルさんやグラビアさんだったり、声優をやったことない人が声を入れたりすることもあるので、収録アドバイスをしたり、要はディレクションみたいなことをお願いされてやったりもしますね。


「ここはこう読みます」とか、「ここはこういう感じで」とか。「これ『うる星やつら』のネタなので、こんな感じで言ってください」とか指導したり。


声優、役者、講師のバランスと業界のお金の話


声の方は、入ると大きいときもあるんですけど。



想像していたのはもっと安いイメージでした!






ビジネスの世界にもある、孫請けとかそういった形に似ていますね。

洋画やアニメとかも声優は、若手は15,000円って決まってるんです。


私も制作の方も少しやっているので、「スタジオと音響監督と役者さん含めて、全部で何十万でやってください」とかっていう案件を企業さんに頼まれたりして、それを知り合いの役者とかにお願いしたりするんですけど、その時も事務所さんによって値段が変わってきたりしますね。




同じ事務所でも、「1本いくらだけど、それにプラスアルファ買い取りじゃなくて、営業やネットがある場合にはプラス何万、CMに使う場合はプラスいくら」って、同じ仕事なのにどんどんプラスプラスプラスみたいなのが重なっていく方もいれば、「何やっても全部この値段」っていう役者もいますね。






だから、ほんと仕事が全然ないときは本当にゼロみたいな。安定収入が講師のみっていうときもありますね。
所属を経てフリーでの活動











こういったやり取りが、あまりに多かったので。






私もう、あまりにもおもしろすぎて、笑っちゃったんですけど。笑っちゃ・・・



でも、笑いますよね。

でも、ほんと小さい事務所とおっきい事務所のどちらの経験もさせてもらって、違うんだなっていうのを始めて知りました。
声優をめざしたきっかけ



それで就職活動していたんですけど、就職しても辞める人が周りに多かったので、やっぱりやりたい仕事をしないと続かないんだなと思って。
何やりたいんだろうと考えた時、やっぱり芝居やりたいなみたいなと。もともと子役をやってたんですよ、小学校から。




だから、仕事が入るたびに行事と重なっていると断ったりしていて、そうすると「せっかくオーディションで取ったのに、その仕事のときに学校に行くってどういうこと?」みたいに言われて。。
今思えば、もったいないことしたなと思いますけど。


でも、身長もちっちゃかったし、舞台とか劇団とか見てくれで役とか決まっちゃうんですよ。


そういう意味でいったら、声優さんはそういう見た目、全然関係なくお芝居はできるし、男役もできればおばちゃん役、人間以外もいろいろできるし。






私もともとは大学行きながらだったので、日曜コースに行ったんですよ。それで日曜コースは2年通うと1年と満たして、3年目のときに全日制に入れるんですけど。
大学院行きながらだったから年齢が高かったので、そんな1年待ってられないよ!と思って。「オーディションしていただいて、認めてもらったら全日制にすぐ1年目で行きたいんです」っていう相談をしたら、「人数が集まればオーディションを開催してもいいから」って言われたんで、みんなを巻き込んでオーディション開催人数を集めてオーディションしてもらって。
そしたら、私1人だけ合格して、もう周りには大ブーイングだったと思うんですけど。


卒業公演のときに、どこにも引っかからなかったんですけど、逆に「本当は2年あるのを1年しか受けてないから、もう1年残りたい!」って言って、2年目を2回やったんですよ(笑


そうするとやっぱり2年目なので慣れてるし、芝居もうまくなってるので必然的にいろいろ主役になるので、各事務所からお声掛けをいただき、みたいな。

自分の行動と力で、飛び級を勝ち取ってるので!



本当は事務所に入ってなきゃいけないんですけど、「元事務所に入っていたし、フリーだからそのレベルあります!」って言って、直談判しに行ったんですよ。それで参加させて貰い、お仕事も頂きました!


私、幼稚園のときもクラス変わったんですよ。「このクラス嫌だから、あっちのクラスにしてください」って言って。


他にもいろいろあって、卒業公演とかにいらっしゃるわけですよ、社長が。でも、せっかく来たなら、あいさつ行っといた方がいいじゃん。みたいな。


思い出深いラジオの仕事





しかもどのお店も全部断われて。「やっぱ解禁日でお客さんがいらっしゃるから、収録とかに入られると困る」みたいな。
結局どこもだめで、スーパーでワインを買って道端の路上で乾杯するっていうのが初中継、初放送でしたね。



時代ですかね。。

生中継を1年間やったので、相当鍛えられました。


だから、間違えると、てっぺんから全部取り直し。収録をして最後の最後にガタンって音が入ってしまったら「はい、お疲れさん。音入りました。また、頭からとりなおしまーす。テープ戻しまーす。ピリュピリュピリュピリュ」って、もう全部とり直し。


だから、逆にすごく仕事には恵まれて、今この年代ではできないような、昔ながらのお仕事をさせていただいたり。生音で、それこそ録音で直にとるみたいな、そういう現場に入らせていただいたので。



それが逆に、嫌だなとか思わなかったんですか?

そのあと、いろんな現場があっても、「いやいや、あの頭から全部に比べたら」みたいに思っていました。

経験がないのでイメージなんですけど、劇団とか怒号が飛び交うんだと思ってました。昭和の人間だからかもしれないですけど。。


僕も廊下に立たされたことありましたよ。

辞めようと思った経験は?

それだけ厳しい環境にいて、辞めようとは思わなかったんですか?

いろいろ経験してきて、教職取ったり、大学でいろいろやったうえで、やっぱり役者やりたいなと思ってなったので。もともとやってたのに辞めて、舞い戻ってきているおかげで、やりたい仕事をやろうみたいになってたんで。

失敗経験




そしたら、「一生徒が個人的に音響監督のところに、レッスンで挨拶に来るのはどうなんだ!?」とマネージャー経由で、凄く怒られまして・・・


なので、違う現場の時に、個人的には行かず、みなさんに向ってあいさつをしたんですけど、そうしたら、「あの子、どこの子? あの子が私んとこにあいさつに来なかったんだけど」って言ってた女優さんがいらっしゃって。


声優を目指している人、なりたい人へ


それこそ今、声優を目指している人とか、「なりたい」って言ってる人がいたとして。どんなことを伝えたいとか、どんな一言を言ってあげたいとかってあります?

あとは、「もう何でもやりたいです」みたいな、逆に目標が定まってないっていうのも多いんです。


スポーツしかり、ボランティアでも遊び、車、バイク、将棋、囲碁、俳句でもいいし、料理や裁縫やアート、楽器など、なんでもやってから、夢を探して欲しいですね!
やらない、見ない、知らない・・・それで何もないですは、勿体な過ぎる!


自分がやりたいものを1個見つけつつ、それにこり固まらずに芝居を観たり、本を読んだり、映画を観たり、良いものを沢山観て、感じて、影響を受けて欲しいですね!
有名作の『風と共に去りぬ』とか、『ロミオとジュリエット』とか、シェイクスピア作品も、「何ですか、それ?」と言われることもあるので。アニメでもゲームでも、やってると必然的にそのパロディーじゃないですけど、たくさんあるんですよね。


「ドラマは興味ないです」とか、「洋画は観ません」とかって言って、結構、観ない子が多いので。やっぱりたくさんの感情とか、喜怒哀楽は持ってもらわないと芝居はできないですし、ゲームやるにしても、喜怒哀楽は必要なので。いろいろ体験したりして、感情をいっぱい揺さぶられて欲しいです!!
声優とは違う道に行こうか迷っている人へ

次が目指してる人とは逆になっちゃうんですけど。「声優をあきらめようかな」とか、「ちょっと別の道に行った方がいいんじゃないかな」って、ちょっと迷ってる人とかに対して何か一言ありますか?

それを自信に持って、いかしてほしいなと思いますね。
夢自体が見つからないと言う人へ



「夢ある?」って言うと、「ない」っていう人が多くて。多分、そういう今、「多いですよね」とおっしゃられてることは、そう体感されてると思うんですけど。そういう人に対して、なんか一言声を掛けるとしたら?



あとは紙に書き出させますね、「とにかく、やりたいことを書き出してみー」って、「『何をやりたい』みたいな、小さいなことでもいいから」みたいな。


そうすると目の中にインプットされて、脳も手も動くし、目からも入ってくるので、「あ、これやりたいんだ」って、再認識できるんです。書いていくうちに自己確認ができるので、「あ、これもやりたいのか。これ好きなのか」って、私いつも書かせるんですよ。



先ほどの客観的に見るために書き出す話ですけど、自分一人だとなかなか客観的に見れないですからね。。



「兄弟は何人か、長男なのか、次男なのか」とか、「末っ子なのか」とか、そうすると、その人によって性格が「長女が口うるさいんだろうな」とか、「しっかり者でしっかりやんなきゃかな」とか、「一番下だから、わがままかな。わがままだったらこういうしゃべり方なのかな」とかって、いろんなものが付随してくる。幹を作ってから葉っぱを付けていく感じです。


それで、「売るっていったら以外と人としゃべるの好き」、「じゃ現場の方がいいんじゃない」みたいな感じで、こう連鎖みたいなのをゲーム的にやってくと、意外と見えたりするのかなと思います。

本日は貴重なお話ありがとうございましす!
発達支援を要するお子さん向けのお話会「フクロウのろうどくかい」